ロケ

実際のロケまでに抜かりない準備をしておけば、後はそのイメージ通りに進めればいいだけです。

事前準備が意外と大変なのですが、そこをきちんとしていれば、ロケはカメラマンや出演者の能力を発揮してもらえるよう、ディレクションしていきます。現場の人たちに何をするのかを説明をして、そのためのセッティングを進める。

カメラマンが必要な構図を撮影しているか?出演者に意図は伝わっているか?など細かな指揮は欠かせませんが、私の経験上あまりうるさく口を出すディレクターより、腕の立つディレクターは要点だけをまとめて後は一任する、という人の方が多いようです。

そして何より頼りになる存在でないといけません。

現場で、予定通りに行かないことはたくさん出てきます。そうした場合に代案を出さなければならないし、『もっとこうした方がいいのでは?』ということをカメラマンや出演者から提案された時、本当にそれがいいのか?流されずに決断していく力が必要になります。

ここでコミュニケーションを密にしておかないと、『話と違う』『そういう意味だと思っていなかった』など、食い違いや意見の相違が出てきて現場でトラブルになってしまう原因になってしまいます。

常に冷静で、且つ和やかに現場をすすめる総指揮官としての役割を担わなくてはなりません。

でも、このロケが上手くいけば編集もとても楽ですし、共に1つのことをやりとげた達成感はロケの団結力によって充実具合が違います。これを皆で共有できるかが、番組作りの魅力の1つでもあります。

これはロケでの失敗談になりますが、飲食店の紹介リポートで紹介したいメインの料理ではなく、おまけのような位置づけの料理がありました。

これをどうしても紹介したかったのですが、カメラマンは、『いらない』の一点張り。カメラマンに撮ってもらわなければ、紹介することができません。不思議とカメラマンというものは威厳のある人が多く、結局その勢いに負けて撮影することができませんでした。

案の定、編集の際にプロデューサーに、『どうして撮っていないんだ』と怒られ、『カメラマンに撮ってもらえなかった』では言い訳になりません。

「どうして撮ってもらえるように説得できなかったのか」が、ディレクターの責任。この料理が番組の流れでどのような意味合いで必要なものなのか、理解してもらうだけの説明ができなかったディレクターが悪いのです。

うまく人の気持ちや現場の状況を操ってやりたいように仕向けるという、知恵と根性と、ときには愛嬌も必要なのです。

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