企画・提案

いろいろな立場のディレクターについて思うところを書いてきましたが、番組を作る手順はそう変わらないと思います。

まずは、企画・提案から始まります。それは、番組自体の企画という場合でも、実際にある番組枠内のネタ情報でも常日頃からの情報収集が大切です。

新聞のスクラップをしたり、週刊誌を何冊も目を通したり、もちろん他社の番組も含めテレビを見て目を肥やすのは基本です。

今、世の中はどんなものを好んでいるのか?流行りを知ること。また、住んでいる地域のちょっとした情報に常に敏感になっていることが大切です。

例えば、ランチにいったお店のラーメンがおいしかった!と思った時、そのスープは何のダシなのか?少し興味を持てば、そこから取材すべきネタに変身するかもしれません。意外なものからダシをとっていたり、その店独自のこだわりを発見したりすれば、それはもう足を運んで掴んだ貴重な情報源です。

私が今でも覚えている偶然の出会いのネタがありました。

あるレストランでお会計をするときに、ふとレジの横に会った亀の置物がありました。一見、木彫りのようにも見えるのですが、不思議な質感だったので、『これ、かわいいですね』と聞くと、『段ボールでできていて、知り合いの方が作っているんです』と言うのです。

興味を持って聞いてみると、その知り合いの方は段ボールで色々ものを作っている方だとか。

実際、訪ねてみて作品を拝見して驚きました。昔あった(今もあるのでしょうか?)シルバニアファミリーのような、とても精巧に作られた小さな家や兜や置物など、全て段ボールで作っていて色付けはインスタントコーヒーでしていたり・・・。

完全に趣味の世界で素晴らしいものを作っている方でした。しかも、これまで取材されたことなど全くなく80歳過ぎて、自己満足で楽しんでいる方でした。

結局、その方を紹介する番組はシリーズで何度も紹介しました。その方は、自分の趣味でやってきたことがテレビで紹介されるなんて思ってもいなかったので、とても喜んでくださってシリーズの最後の方には大作を完成させ涙まで流してくれました。

同業者は、同業者の情報を見ています。新聞やテレビ・インターネット、いろんな情報源をチェックしていますが、独自ネタというのはキラリと光るもの。

どこの旅番組でも、似たような場所を紹介していたり、取材した場所が以前に他の番組でも紹介されていたりすると、独自ネタを見つけた時の感動と比べると半減です。

いろんな番組が目をつけるということは、紹介すべき素晴らしいネタであるか、もしくは目立つネタであるか。いずれにしても、当たり前のものを当たり前のように紹介することも大切なこともありますが、オリジナリティあふれる自分らしい番組を企画することがディレクターのやりがいでもあります。

ネタを見つけた後は、それを企画書の形にして提案します。その提案の仕方も重要です。

プロデューサーや会議の仲間に説明をする際、『おもしろい』と思ってもらわなければなりません。企画書の書き方や説明の仕方で、せっかくのいいネタも魅力がなくなってしまう場合もあります。

逆に大したことのないネタでも紹介の仕方で魅力的に描けることもあります。

企画の段階で、より具体的なイメージを持って、いろんな質問に応えられるようにするのが第一段階の関門です。企画提案が通れば、いよいよ番組づくりのための準備に入ります。

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